2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740024
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 宏樹 Tokyo University of Science, 理工学部, 講師 (10333189)
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Keywords | 保型形式 / 整数論 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
今年度の主たる研究テーマはベクトル値ジーゲル保型形式についてであり、その加群の構造を、主に微分作用素を用いて調べた。群のレベルが小さいいくつかの場合には、実際に構造を決定することができ、その成果は、論文「Vector valued Siegel modular forms of degree 2 with small levels」として、現在Osaka Journal of Mathematicsに投稿中である。ベクトル値ジーゲル保型形式(degree 2,w.r.t Sym(2))については、既にレベル1(フルモジュラー)の場合には、佐藤・伊吹山の両氏によって構造が決定されていた。本論文は、微分作用素を用いるという新しい手段によって、既知の結果に別証明を与えると共に、レベルが小さいいくつかの場合において、同様の手段が通用し、類似の構造定理が得られることを示したものである。 また、昨年度、今年度の研究テーマにおいては、保型形式の構成も重要な問題である。この問題についても昨年度に引き続き研究を行い、得られた結果をいくつかの研究会で発表した。この成果は近々論文にまとめる予定である。
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