2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740028
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐治 健太郎 Gifu University, 教育学部, 准教授 (70451432)
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Keywords | 特異点 / 波面 / 認識問題 / 曲率 / 平行曲面 / ミンコフスキ空間 / 臍点 / ジェネリック微分幾何学 |
Research Abstract |
波面の特異点の判定法の研究について、バタフライ特異点、退化したカスプ的特異点、余階数が2の特異点についての判定法を得た。これは申請書にあるとおり、特異点の性質をさらに深く研究するために重要な成果であり、今後特異点の様々な性質を明らかにする研究が行える。余階数が2の特異点についてはこれまでの研究で扱えなかった対象であり、重要な成果であると思われる。 波面でない特異点であるモンド特異点と呼ばれるものに対しても判定法を得た。波面ではないので、この特異点の近くでは微分幾何的な状況を調べにくかったが、本判定法を応用して研究が行えるようになったと言え、これも重要な成果と言える。たとえば、曲面の平行曲面の特異点では、本特異点と、臍点の性質との関連性を明らかにした。また、ハミルトン・ヤコビ方程式の解曲面に現れる特異点の性質を定義方程式の微分の情報だけで与えた。これにより、以降は同方程式のジェネリックな状況が研究できると思われる。 判定法の応用について、高次元波面に対して、梅原雅顕氏(大阪大)・山田光太郎氏(九州大)と共同で、波面のジグザグ数と位相との関係性を明らかにした。また、これらの不変量と全特異曲率との関係式を得た。また、ミンコフスキ空間内の擬球面内の波面の双対性に関連して、泉屋周一氏(北海道大)と研究を行い、各擬球面内での波面の特異点と曲率との関係式を、双対性と関連して現れるすべての波面に対して作った。また、ツバメの尾特異点とカスプ的交差帽子特異点との双対性に関して、新しい見方を提供した。
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