2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740028
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐治 健太郎 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70451432)
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Keywords | 特異点 / ルジャンドル特異点 / 波面 / 曲率 / 線織面 |
Research Abstract |
波面のカスプ的嘴、カスプ的唇、カスプ的蝶、臍特異点の判定法をすべて与えた。これで、波面の1パラメーター変形にあらわれる特異点にすべて判定法を与えることができたことになる。 カスプ的嘴、カスプ的唇、臍特異点に関しては面積密度関数と呼ばれる波面の基本的な関数である面積密度関数のヘッセ行列の言葉で判定法を書き切ることができ、カスプ的蝶に関しても面積密度関数の方向微分の言葉で書き切った。 これらは非常に基本的な仕事であり、今後の波面研究を発展させることができると思われる。また、モンド特異点と呼ばれるクラス全てに対して具体的に計算できる判定法を与えることができた。さらに、高次元波面に関してA型特異点の判定法を全て与えた。 これらの判定法に関しては超幾何微分方程式の双曲的シュワルツ写像にあらわれる特異点の研究者達に用いられたり、特異点論のコントロール理論への応用を研究している研究者に用いられている。 判定法の応用に関して、ミンコフスキ空間内の疑球面内の曲面の双対性の枠組みの中で様々な特異点があらわれる条件を書き、曲面の微分幾何学的性質と特異点との関係について明らかにした。また球面内の双対性に関しても各々の特異点があらわれる条件を明らかにした。この中で、燕の尾とカスプ的交差帽子との双対性の意味をはっきりさせ、カスプ的嘴の自己双対性を発見した。 また、波面の概念を内在的に定式化し、同じ次元間の写像と波面を同時に扱えるようにした。さらに、カスプ辺の特異曲率も内在的に定式化し、同次元間の写像の特異曲率の幾何学的意味を明らかにした。この設定の下、様々な写像の位相的性質と特異点の数との関係を明らかにした。
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