2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川村 友美 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (40348462)
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Keywords | ラスムッセン不変量 / ベネカン不等式 / 正または負の絡み目 / ホップ絡み目の連結和 / 鏡像に関する歪対称性 |
Research Abstract |
本年度の当研究は、絡み目のラスムッセン不変量のベネカン型評価式の改良について前年度までに得られた成果の詳細な考察を主に行った.論文の投稿先の雑誌側からの応用の追加の提案と,Lobb氏による類似研究のプレプリントの発表があったことから,とくに成果の有用性の議論に関して,この作業を慎重に行わねばならなかった. 年度終了直前にようやく,成果の応用例として「負の絡み目」のラスムッセン不変量の公式を得るヒントを掴んだ.具体的にはまだ「負のホップ絡み目の連結和」について検証したのみであるが,その研究はたとえば次の点で重要である. 1、ラスムッセン変量やベネカン不等式の4次元版についての研究は「正の絡み目」についての考察を先に行った後に一般化するという手法が多く,不変量評価式について「正」から離れた絡み目ほど生じやすい誤差を解消する可能性が高い. 2、ラスムッセン不変量は,結び目については知られているが一般の絡み目については不明な「鏡像に関する歪対称性」を解明する手掛かりとなる. 3、ラスムッセン不変量と共通点が多く,フレアーホモロジーが基となっている結び目不変量の,絡み自への定義の拡張の議論のきっかけとなる. 4、3次元多様体の接触幾何構造からもとのベネカン不等式が得られた背景から,改良された評価式に対応する類似した別の幾何構造の探究を誘導する.
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Research Products
(1 results)