2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 一石 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (60432465)
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Keywords | ミラー対称性 / 旗多様体 / 完全可積分系 / ポテンシャル関数 |
Research Abstract |
東北大学の西納武男氏、野原雄一氏と共同でGelfand-Cetlin系のFloer理論的な研究を行った。 Gelfand-Cetiin系は旗多様体を相空間とする完全可積分系であり、表現論と密接に関連している。完全可完全可積分系はArnold-Liouvilleの定理にようりLagrangeトーラスファイブリーションと等価であるが、このファイブレーションの底空間はGelfand-Cetlin多面体と呼ばれる凸多面体であり、旗多様体はこの多面体から定まるトーリック多様体への退化を持つことが知られている. また、トーリック多様体に対してはそのトーラス作用に関する運動量写像が完全可積分系を与えるが、この可積分系の滑らかなアァイバーのポテンシャル関数がCho-OhやFukaya-Oh-Ohta-Onoによって計算されている。ここでポテンシャル関数とは、Fukaya-Oh-Ohta-OnoによってLagrange部分多様体に対して定義されたFloer理論的な量である。今年度の研究によって、旗多様体上のGelfand-Cetlin系とトーリック多様体上の可積分系が退化で結びついていることが示され、それを用いてGelfand-Cetlin系のLagrangeトーラスファイバーのポテンシャル関数を計算することができた. この計算の際に生じる困難は、中心のトーリック多様体が小さな特異点解消を持つこと、旗多様体がFano多様体であること、それにCho-Ohによるトーリック多様体内の正則円盤の分類とFredholm正則性などによって解決される. また、こめ結果から、旗多様体はどのようなHamiltonアイソトピーで動かしても必ず動かす前のものと交叉するようなLagrange部分多様体を持つことが従う.
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