2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉永 正彦 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (90467647)
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Keywords | 超平面配置 / 対数的ベクトル場 / 極小セル分割 |
Research Abstract |
超平面配置の補集合は極小CW複体という非常にセルの枚数の少ない空間とホモトピー同値になることが知られている。このことは超平面配置の補集合が非常に特殊な位相空間であることを意味し、セルの張り付き方が精密に分かれば、超平面配置の位相幾何的な研究において基本的な役割を果たすと考えられている。私は以前の研究で、Chamberの組合せ論的構造を利用することによる、最高次元セルの張り付き写像の表示を与えている。今年度はこの結果に基づいて、2次元の場合に局所系係数ホモロジーの消滅定理の精密化、補集合の基本群の表示を得た。またこれとは別に極小セル分割の「双対」として、今後重要な役割を果たすと思われる「極小ストラティフィケーション」の記述の研究を伊藤公毅氏(京大数理研)と開始した。 超平面配置の補集合上の局所系係数ホモロジーの消滅/非消滅に関する振る舞いは、超幾何微分方程の応用の観点から、青本以来活発に研究されているテーマである。具体的にはgenericな局所系に対しては、中間次元以外のホモロジーが消え、中間次元ホモロジーはchamberで生成されるという現象が知られていた。今年度の結果により、2次元の場合には、この現象が起こるための必要十分条件を明らかにすることが出来た。また本年度得られた基本群の表示は、(関係式が)正の表示を持ち、これまで知られていた表示よりも単純な形をしている。語の問題等基本群の定性的な研究への応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)