2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740039
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
市原 一裕 Nara University of Education, 教育学部, 准教授 (00388357)
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Keywords | 位相幾何学 / 3次元多様体論 |
Research Abstract |
本研究の具体的な,当面の目標であったプレッツェル結び目に沿った有限型デーン手術に関して,論文「Cyclic and finite surgeries on Montesinos knots」(モンテシノス結び目に沿った巡回型および有限型手術)において,完全決定することができた。実際,より一般のモンテシノス結び目に対してまで完全に決定し分類することができている。現在は,研究実施計画を前倒しし,さらに一般の3次元球面内の結び目に沿った有限型デーン手術の特徴付けに向けて研究を進めている。一方,2つの論文「Lower bounds on boundary slope diameters on Montesinos knots」(モンテシノス結び目の境界スロープ直径の下限)および「Crosscap numbers of pretzel knots」(プレッツェル結び目のクロスキャップ数)では,プレッツェル結び目,および,モンテシノス結び目に関して,その補空間に埋め込まれた本質的曲面に関する位相幾何的な性質(境界スロープ直径,およびクロスキャップ数)に関して研究を行った。これらは,そのような結び目に沿ったデーン手術に関する今後の研究において,基礎となりうるものと考えている。また有限型デーン手術の一般化であるザイフェルト手術(ザイフェルト多様体を生成する手術)に関しては,論文「Hyperbolic sections in Seifbrt fibered surface bundles」において,特に緯線的デーン手術に関して,その双対結び目を考えることにより研究を行った。実際,そのようなデーン手術において双対結び目として現れるような,曲面束であるザイフェルト多様体内の断面結び目について,それが双曲的となるための必要十分条件を得た。これらの研究成果に関して,日本数学会秋期総合分科会などの学会等で研究発表を行った。
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