2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740042
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
庄田 敏宏 Saga University, 文化教育学部, 准教授 (10432957)
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Keywords | 極小曲面 / 平坦トーラス / モジュライ空間 |
Research Abstract |
本研究は極小曲面論におけるガロア理論を確立することを最終的な目標とし,最初の2年間は超楕円型極小曲面に関する研究を進めることであった.昨年度は超楕円型極小曲面の具体例の構成を中心に研究を進めてきたのであるが,その後の様々な経緯から,超楕円型極小曲面全体のモジュライ空間の研究を進める必要性が出てきた. モジュライ空間の有力な研究手法としては名城大学の江尻教授によって確立された理論が知られているが,それには面積関数の第二変分によって定義されるindexとnullityを考察することが重要になる.また,モジュライ空間はindexとnullityによって区分けされるのであるが,2つの極小曲面がどのような経緯で変形されていくかをみることはモジュライ空間の研究にとって非常に重要な課題となる.そこで研究対象となる極小曲面をtという媒介変数による族を用いて変形し,tの動きによってindexやnullityがどう変化するかをみることがモジュライ空間の構造を調べる鍵になる.このことからSchwarz曲面やSchoenのI-WP曲面などの既知の曲面を変形しそのindexとnullityの計算を試みた.indexやnullityの計算には先行研究のみならず,解析的な能力が要求されるのであるが,色々な経緯の後に,全てのtにおいてnullityを計算することに成功した.しかしindexの計算が未解決であり,現在も進行中である.
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