2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740044
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
酒井 高司 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30381445)
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Keywords | 微分幾何学 / 極小部分多様体 / 等質空間 / 対称空間 |
Research Abstract |
階数1のコンパクト型対称空間の余接束にはStenzelが構成した余等質性1の完備なRicci平坦Kahler計量が入る.このStenzel計量の対称性に着目し,n次元球面の余接束においてSO(p)×SO(q)(p+q=n+1)の作用で不変な余等質性1のLagrange部分多様体を構成した.さらに,これらのLagrange部分多様体が特殊Lagrange部分多様体になるための条件を常微分方程式によって与えた.この常微分方程式の解を調べることにより特殊Lagrange部分多様体の特異点の様子および無限遠での漸近挙動を調べた.この研究は橋本要(大阪市立大学)との共同研究で行った.コンパクト型のHermite対称空間の2つの実形が横断的に交わるならば,その交叉は2つの実形の対蹠集合になることが田中-田崎により示されている.実形は全測地的であるから点対称によって不変であり,それらの交点は不動点となる,したがって,J-holomorphic stripのモジュライ空間に自由なZ_2作用が誘導される.この事実から,単調なコンパクト型Hermite対称空間において,最小Maslov数が3以上であるような2つの実形の組に対するZ_2係数のFloerホモロジーは2つの実形の交叉によって生成されることを示した.これにより特に、既約なコンパクト型Hermite対称空間の場合にArnold-Givental不等式の一般化が得られた.この研究は入江博(東京電機大学)と田崎博之(筑波大学)との共同研究で行った.
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