2010 Fiscal Year Annual Research Report
定曲率空間内の曲面の可積分系の理論による構成的研究
Project/Area Number |
20740045
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 真平 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40408654)
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Keywords | 平均曲率一定曲面 / ループ群 / 可積分系 / 線形常微分方程式 |
Research Abstract |
三次元双曲空間内の平均曲率一定曲面についての研究を前年度に引き続き行った。 特に平均曲率が0から1までの平均曲率一定曲面の構成についての研究を行った。その成果として、超幾何微分方程式を用いた平均曲率一定曲面を構成する事に成功した。この曲面についての性質については、まだ未解明な部分も多いので、これからの研究によって明らかにしていきたいと考えている。 またテュービンゲン大学のNick Schmitt氏との共同研究では、ユークリッド空間内の同変ガウス曲率一定曲面(ガウス曲率は0でないと仮定している)のモジュライ空間について調べた。特に、モジュライ空間の中で位相的に円柱面になるものを特徴付ける事に成功した。この研究の特徴はそれまでは個別の研究対象と考えられて来たガウス曲率が正一定の場合(ガウス曲率正一定曲面は平行曲面として平均曲率一定曲面を持つことに注意する)、負一定の場合を同時に取り扱っているという事である。この研究を進める上で複素平均曲率一定曲面の理論は欠かせず、その代数的な構造が非常に大切である事が明らかになった。 これらの研究の成果によって、研究目的であった「複素平均曲率一定曲面の実形として得られる定曲率空間内の可積分曲面の構成的研究およびその相互関係を明らかにする」が達成されたと考える事ができる。
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