Research Abstract |
本年度は当研究課題の基礎となる, ツイスター正則な曲面に関する研究を行った. 主要なテーマは, (1) ツイスター正則な曲面の構成, (2) ツイスター正則な曲面全体を外空間の共形変換で移りあうものを同一視した空間の決定, であった. ツイスターリフトを用いて, 曲面の性質を(概)複素多様体の性質を用いて研究すること等により, 次の事が分かった. まず, (1) については, 曲面のツイスター正則性の外空間の共形不変性および3次元複素射影空間内の正則曲線を用い, 4次元ユークリッド空間内のツイスター正則な曲面についていくつかの結果を得た. 特に, ある種のツイスター正則な曲面は, ツイスターリフトが弱安定な調和切断となる曲面として特徴付けられることが分かった. 次に, (2)については, 外空間が4次元ユークリッド空間の場合に部分的な結果を得た. また, 外空間が他の空間の場合には, 4次元ユークリッド空間の場合とは異なる様相を示す例が見つかった. これにより, この(2)の問題は外空間の性質が大きく依存していることが予想されるので, 次年度以降の課題としたい. 上記の結果以外には, 外空間が4次元超ケーラー多様体の場合に, 複素幾何学的な幾何学量等に着目し, 種数が小さい曲面のツイスターリフトが調和切断となる曲面の特徴付けを得た. 特に, 4次元ユークリッド空間内の種数が0の曲面は, そのツイスターリフトが調和切断ならば, 曲面はツイスター正則であることも分かった.
|