2009 Fiscal Year Annual Research Report
4次元リーマン多様体内の曲面のツイスターリフトを用いた研究
Project/Area Number |
20740046
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 和志 Kanazawa University, 学校教育系, 准教授 (50349825)
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Keywords | ツイスター空間 / ツイスターリフト / 調和切断 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続きツイスター正則な曲面の基礎研究の行い,その後ツイスターリフトが弱安定な調和切断となる曲面の研究を行った. まず,前者に関して,外空間が自己双対アインシュタイン多様体で曲面の種数が0の場合に,ツイスターリフトが調和切断ならば,法束のオイラー数に応じて,曲面はツイスター正則かまたは極小であることが分かった.さらに,この結果も用いて,ツイスター正則な曲面全体を外空間の共形変換でうつりあうもの同士を同一視した空間に関して,部分的な分類を得ることができた.これらは,前年度に得られた結果を改善したものになっており,外の空間がより一般の場合に拡張されることが期待されるが,これは次年度以降の課題としたい. 後者に関しては,外の空間が非負のスカラー曲率をもつ自己双対アインシュタイン多様体の場合,ツイスター正則な曲面のツイスターリフトが弱安定な調和切断であることが分かった(これは,平行ではない切断で弱安定な調和切断となるものの例を与えるが,これまで知られている例でそのようなものはあまり多くはないと思われる).逆に,外空間が4次元ユークリッド空間の場合には,そのような曲面はツイスター正則な曲面に限ることも以前の研究により分かっていたが,より一般の場合(例えば外空間が自己双対アインシュタイン多様体の場合)にも同様の結果が成り立つと予想しており,これも次年度以降の課題としたい.
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