2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740050
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西村 拓士 Yamagata University, 理学部, 助教 (90333947)
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Keywords | 擬似乱数生成法 / 重み分布検定 |
Research Abstract |
線形漸化式を用いた擬似乱数生成法の出力の重み分布に関する性質の分析を行った。特に次の2つの事項に関して調べた。 1. 生成式が特殊な形の場合について、擬似乱数の出力の重み分布の特徴について調べた。 一般的に、生成式中の非零な項の数が生成式の次数の半分程度あった方が、擬似乱数の品質にとって理想的であるとされている。しかし、生成式の非零な項を増やすと多くの場合、生成速度の低下を引き起こし、実用上のデメリットが生じる。生成式を特殊な形にする事によって、生成速度を低下させずに、生成式中の非零な項を増やす擬似乱数生成方法が提案されている。本研究では、このような生成法についてウエイトディスクレパンシーという手法を用いて、その出力の重み分布について調べた。その結果、今回分析した生成式の形が特殊な場合、非零な項の数を増やしても、擬似乱数の出力の重み分布の品質は向上しない事がわかった。 2. 擬似乱数の初期値が特殊な場合について、その出力の性質と生成式の関係を調べた。 擬似乱数の初期値に0が多いと、その出力にも0が多い状態がしばらくの間続いてしまう傾向が知られている。この傾向は生成式の形によって異なり、生成式により0が多い状態からの回復が速い場合と遅い場合が観測される。本研究では、生成式中の一番最後の非零な項の位置が、0が多い状態からの回復の速度に影響する事を示した。生成式中の非零な項の数よりも、一番最後の非零な項の位置の方が0が多い状態からの回復速度に影響を与えている。
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