2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740050
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西村 拓士 山形大学, 理学部, 准教授 (90333947)
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Keywords | 擬似乱数生成 / 有限体 |
Research Abstract |
線形擬似乱数生成法に関する研究を行った。擬似乱数はコンピュータ上で確率的な現象を実現する道具として用いられている。擬似乱数を用いたコンピュータ上の実験はモンテカルロ法と呼ばれている。モンテカルロ法の利用はコンピュータの出現とともに始まり長い歴史を持っている。モンテカルロ法のための擬似乱数の他に、近年では暗号に使用するための擬似乱数も研究されている。モンテカルロシミュレーションのための擬似乱数を作り出す手段として、有限体上で線形な数列を利用する手段がしばしば用いられている。有限体上で線形な数列がモンテカルロ法のための擬似乱数として用いられる理由は、コンピュータ上で高速を擬似乱数に生成する事が出来る事と、その理論的な性質が有限体の理論を用いて比較的解明されているからである。モンテカルロ法に用いられる擬似乱数では周期長と多次均等分布性がその品質の重要な指標になる。また、コンピュータ上での高速生成能力やメモリ効率性などの実用的な性質も重要である。 本研究では、特に有限体上線形な擬似乱数生成法に関する研究を行った。準モンテカルロ法に利用するための様々な周期(2の10乗~2の32乗)を持ち最適な多次元均等分布性を持つ擬似乱数の構成を行った。有限体上の原始多項式の探索を行った。周期が約2の200乗の複数の擬似乱数の合成による擬似乱数生成法の構成を行った。特に相異なる特性多項式を持つ複数の擬似乱数を構成出来た。
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