2009 Fiscal Year Annual Research Report
確率制御に関連する問題におけるmax-plus確率論的アプローチ
Project/Area Number |
20740052
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝瀬 秀裕 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60377778)
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Keywords | 確率論 / 確率制御 / Hamilton-Jacobi-Bellman方程式 / max-plus確率 / 数理ファイナンス |
Research Abstract |
最大値と和を新しい和と積とする実数をmax-plus代数という.最適化問題や制御問題などにみられる多くの非線形性がmax-plus代数の下では線形になることから,max-plus代数は理論・応用において有用であることが知られている.max-plus代数の下で加法性を満たす確率測度はmax-plus確率測度と呼ばれ,その測度に基づく確率論,すなわちmax-plus確率論を考えることができる.さらに制御パラメータをmax-plus確率モデルに加えることにより,max-plus確率による確率制御理論も展開可能で,そのような制御理論はロバスト制御と関係が深い. 今年度はmax-plus確率制御の基礎理論の構築とmax-plus確率制御の数理ファイナンスへの応用について研究し,主に国際会議や研究集会における発表に力をいれた.基礎理論に関する結果としては,通常の確率制御で扱われる制御拡散過程をmax-plus確率論の意味での拡散過程として定式化し.max-plus加法的汎関数を評価関数とする制御問題の値関数を動的計画偏微分方程式の粘性解として特徴付けることに成功した.数理ファイナンスへのmax-plus確率的アプローチを探るため,数理ファイナンスにおいて典型的かつ重要な最適投資問題をmax-plus確率制御の枠組みで展開した.
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