2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740062
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
廣田 千明 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 准教授 (00336447)
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Keywords | 爆発解 / 微分方程式の数値解法 |
Research Abstract |
微分方程式の解のノルムが有限時刻で無限大に発散してしまう現象は解の爆発現象として知られている.この時,発散する解を爆発解,発散する時刻を爆発時刻,発散の速さを爆発レートという.爆発解をもつ偏微分方程式として最も有名な方程式は藤田タイプと呼ばれる反応拡散方程式である.この方程式は古くから研究されており,いろいろな結果が報告されている.それらの中で本研究で注目するのは,爆発レートに関する結果である.空間に関して一様な解を考えると拡散項は消滅し,簡単な常微分方程式に帰着され,この常微分方程式の解の爆発レートを1型と呼ぶことにする.これに対して,藤田タイプは拡散項があるので拡散の効果から1型の爆発レートより発散が遅くなることが予測されるが,空間の次元数や反応項により1型より速い発散をする解が知られている.この爆発を2型と呼び,現在2型がどのような場合に発生するのかが研究の対象となっている.したがって,研究対象となっている爆発解が1型の爆発レートより速いかどうかを判定する数値的手法があれば2型の爆発に対する研究に非常に有益である. 昨年度はスカラの常微分方程式に対して,爆発レートを比較する数値的手法を考案した.この手法は方程式を変数変換により,解曲線の長さを独立変数とし時刻を求める問題に変換し,爆発レートを比較する2つの問題の時刻が爆発時刻に収束する速度を比較する方法である.今年度はこの手法を多次元問題へ適用することを考えた.この手法を単純に多次元問題に適用するのは難しいが,多次元問題の解のノルムがみたす微分方程式を考えることにより,多次元問題に適用することを可能にした.また多次元問題に対する数値例を示すことができた.
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Research Products
(2 results)