2008 Fiscal Year Annual Research Report
代数的符号理論の多角的研究-符号・マトロイド・デザインの三角形からみえるもの-
Project/Area Number |
20740063
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
城本 啓介 Aichi Prefectural University, 情報科学部, 准教授 (00343666)
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Keywords | 符号理論 / 組合せデザイン / マトロイド / 自己双対符号 / 一般化ハミング重み / 双対性 |
Research Abstract |
符号理論・マトロイド理論・組合せデザイン理論の各分野において, 与えられたパラメータや諸性質を満たす組合せ構造が存在するか否かを考察する存在問題や, 存在した場合の相当する構造の構成問題について, 自身の代数的符号理論におけるこれまでの研究を軸として, 上記の3分野を包括的に研究し, 統一的構造の理解を進めることを広義の目標として研究を行った. 本年度においては, 当該研究期間の初年度における研究の基盤づくりを目的として, 符号と組合せデザインを中心に計算機による具体例のデータ採取及びその解析に主に取り組んた. 具体的な研究成果は以下の通りである. 1. 互いに素な組合せデザインの構成法の考察 量子誤り訂正符号の構成を目標として, その1つの手法として各ブロック集合族間に共通なブロック集合が存在しないような組合せデザインの集合族の構成法について研究を行った. 特に, ゴレイ符号やQR符号等の組合せデザインを構成する自己双対符号の生成行列の構造に着目することで, 置換写像を用いた新たな構成法を提案した. 2. 符号の双対性のマトロイド的考察 符号の一般化ハミング重みに関する双対定理をマトロイドへ拡張することで, マトロイドとその双対マトロイド間の新たな関係を導出することができた. これにより, グラフ等の他の組合せ構造に関する双対性へと応用することができた. また, 逆にマトロイドの双対性を符号の概念へ引き戻すことで, 有限環上の符号の一般化ハミング重みの双対性も同時に導くことができた.
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