2008 Fiscal Year Annual Research Report
調和写像分散流の初期値問題のエネルギー空間での適切性の研究
Project/Area Number |
20740073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 淳 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00432237)
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Keywords | 関数方程式論 / 実関数論 / 数理物理 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 調和写像分散流(シュレディンガー写像)の初期値問題の, エネルギー空間における適切性を考察することである. 特に, 2次元単位球面に値を取る調和写像分散流は, 強磁性体のスピンを記述するハイゼンベルクモデルとして知られるものであり, その解析は物理的にも興味深い問題であると思われる. 具体的には, 空間次元が2次元及び3次元の場合に, 調和写像分散流の初期値問題の小さな初期値に対する時間大域適切性を, 初期値が滑らかさに関して臨界的なソボレフ空間に属する場合に考察する 研究の初年度にあたる昨年度においては, 初期値の滑らかさの条件を緩めて時間大域解の存在を考察し, そのための基礎となる, シュレディンガー方程式に対するストリッカーツ型評価について整備した. 特に球面方向の滑らかさを考慮に入れることで, 時間大域可解性への応用が可能な評価を示すことが出来た. この研究に関しては, 早稲田大学の小澤徹教授との共著の論文として纏め, 現在投稿中である. この評価の調和写像分散流の方程式への応用に関しては, エネルギー評価を考察する際に必要となる球面上のラプラス・ベルトラミ作用素に関連する交換子評価について現在研究を進めているところである.
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Research Products
(2 results)