2009 Fiscal Year Annual Research Report
確率解析を用いた無限次元空間上のヘルマンダー型微分作用素に関する研究
Project/Area Number |
20740076
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河備 浩司 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80432904)
|
Keywords | 確率解析 / rough path理論 / Riesz変換 / Gibbs測度 / 経路空間 / 一意性定理 |
Research Abstract |
今年度はまず、昨年度に得た無限次元空間上のRiesz変換に関する研究成果が、場の量子論において重要な対象の一つである(有限体積)Hoegh-Krohnモデルに適用できるかどうかの考察を行った。またこの考察の過程で、以前に研究した(無限体積)経路空間上のGibbs測度に関するDirichlet作用素の一意性問題の結果を強くすることができた。これは意外な収穫であった。さらに1月から、Cambridge大学Isaac Newton数理科学研究所での確率偏微分方程式に関する長期研究プログラムに今年度の研究費の大半を利用して参加している。滞在中に上記の研究成果をS.Albeverio, M.Roeckner氏との共著論文としてまずまとめることができた。この論文は近日中に学術誌に投稿し、Newton研究所のプレプリントシリーズにも登録する予定である。また昨年度の研究の過程でP.Friz氏などによるrough path版マリアヴァン解析の最近の成果の検討を行ったが、今年度はこの成果をバナッハ空間値の伊藤汎関数に対して適用できるかどうかの考察も行った。また上記の結果を中心とした成果発表4件をイギリス・ドイツでの確率論セミナーおよびイタリアでの国際研究集会にて行った。
|