2008 Fiscal Year Annual Research Report
2点境界値問題の符号変化する解の個数に関する研究とその応用
Project/Area Number |
20740082
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
田中 敏 Okayama University of Science, 理学部, 講師 (90331959)
|
Keywords | 2点境界値問題 / 符号の変化する解 / 一意性 / 球対称解 |
Research Abstract |
平成20年度は、以前に2階非線形常微分方程式の2点境界値問題で得た符号変化する解の一意性についての結果を球状領域における楕円型偏微分方程式の球対称解の問題について一般化することに成功した。具体的には、単位球の内部においてある楕円型微分方程式を満たし、境界での値が0で、かつ内部でk回符号変化する解がただ1つであるための十分条件とそのような解が3個以上存在するための十分条件を得た。その問題の符号変化する球対称解の一意性についてはこれまであまり多くの結果が得られていなかったが、今回、過去のものとは別の十分条件を得ることができた。また、非一意性の結果は過去にはないもので、今回、始めて得ることに成功した。この非一意性の結果により、無条件では一意性が成り立つ訳ではないことがはっきりし、一意性の結果が重要であることが再認識された。さらに、以前の2階非線形常微分方程式に対する結果を一次元のp-Laplace作用素をもつ常微分方程式の2点境界値問題に一般化することにも成功した。即ち、その一次元のp-Laplace作用素をもつ問題の解で端点の値が0で区間の内部でk回符号変化する解が一意であるための十分条件を得た。この問題の符号変化する解の一意性に関する結果は過去に得られておらず、始めての結果であり、この分野の進展に大きく貢献できたと考える。また、ある特殊な場合は一意性が崩れることが起こることも示した。従って、無条件で一意性が成り立つ訳ではなく、今回の一意性の結果の正当性も主張できた。
|
Research Products
(2 results)