2008 Fiscal Year Annual Research Report
変分的手法による特異ハミルトン系の周期軌道存在問題
Project/Area Number |
20740091
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
足達 慎二 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (40339685)
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Keywords | Morse Index / 非衝突性 / 準線形性 / dual approach |
Research Abstract |
2次元における2体問題型特異ハミルトン系の周期軌道存在問題について, 周期軌道の多重存在を示すためのポイントとなるMorse Indexを方程式系に対応する2種類の汎関数についてそれぞれ詳細に評価した。Weak force条件下では極限操作の際に軌道の非衝突性を示すためにMorse Indexの評価が必要になるが, 一方の汎関数では評価し切れなかったMorse Indexが他方の汎関数ではより正確に評価できることがわかった。汎関数によってMorse Indexの評価に違いがでることは今後の指針を決める上で大変重要な事実であり, また, 評価に用いた計算も学術上重要な意義がある。今後はこのMorse Indexの評価と周期軌道の渦巻き数, 自己交差数などの位相量の評価を用いて周期軌道の多重存在を示す。また, 変分的手法による研究発展に関して, ある種の準線形楕円型方程式の正値解の存在を示した。この方程式は物理的にも重要な背景を持ち, また, 変分構造もある方程式だが, 汎関数の扱いの難しさ故にこれまで数学的にはほとんど扱われてこなかった。ここでは方程式から導かれるOrlicz空間上で定義された汎関数を扱う方法ではなく, dual approachを用いて正値解の存在を示した。自励系の方程式に対するこの結果は, 非自励系の極限状態としての観点からも意義深い。今後は非自励系の方程式に対する正値解の存在を示す。
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