2008 Fiscal Year Annual Research Report
惑星アラートシステムの運用及びトランジット系外惑星の探査
Project/Area Number |
20740104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
住 貴宏 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 助教 (30432214)
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Keywords | 惑星探査 / 惑星起源・進化 / 光学赤外線天文学 |
Research Abstract |
平成20年度は、ニュージーランド(NZ)にある1.8m望遠鏡を使って申請者を含む日本のMOAのメンバーのべ18人とNz現地観測者1名が観測を行った。観測は、3月から11月までの銀河中心が観測できる期間に、22領域合計50平方度内の星約1億個を1時間に1回観測した。特に7月頃は、これらの領域を、1日12回も観測出来た。さらにこの内2領域は12分に1回と言う超高頻度で観測を行って追観測なしでも、地球サイズの惑星のシグナルを検出できる様にしてある。この様なサーベイ観測により、600個のマイクロレンズイベントをリアルタイムで検出し、世界中にアラートを発した。さらに、昨年完成した惑星アラートシステムを運用して惑星の検出をすすめた。実際に数イベントでリアルタイムでアノーマリーを検出し、惑星アラートを発する事に成功した。これらの観測の結果、今年度は2個の系外惑星を発見し、現在詳細な解析を行っている。さらに、2007年に観測されたイベントを解析した結果、主星が褐色矮星もしくは非常に軽いM-型星である惑星系を発見した。これはこれ迄に見つかった惑星系の主星としては最も小さいもので、この様な低質量星にも惑星が存在する事を初めて観測的に示した。さらに2000-2005年の6年分のMOA-I(61cm望遠鏡)で観測されたデータの2/3を解析した結果、58例のトランジットイベントを発見した。これらの内、惑星トランジットの可能性が高い減光率の小さいイベント10例をSUBARU望遠鏡とIRSF赤外望遠鏡で追観測した結果、いずれも食連星、もしくは視線速度法による追観測に適さない星である事が分かった。今後残りの1/3のデータの解析を行う。
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Research Products
(8 results)