2009 Fiscal Year Annual Research Report
惑星アラートシステムの運用及びトランジット系外惑星の探査
Project/Area Number |
20740104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
住 貴宏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (30432214)
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Keywords | 惑星探査 / 惑星起源・進化 |
Research Abstract |
本研究は、I.我々Microlensing Observations in Astrophysics (MOA)グループが行っている重力マイクロレンズによる太陽系外惑星(以下系外惑星)探査にH19年までに導入したリアルタイム惑星アラートシステム(若手B、H18-19、代表:住)を引き続き運用する事によって系外惑星を見つける。II.さらに、同じ銀河中心方向のデータから、系外惑星が主星の前を通過するトランジットを検出する。これらによ系外惑星の存在量と分布を求める事を目的とした。背景天体の前を他の星(レンズ天体)が通過すると、その重力がレンズの様な働きをして背景天体からの光を一時的に増光し、マイクロレンズイベントとして観測される。実際には、銀河中心内の比較的奥の星が銀河中心手前や銀河円盤内の星に増光される。この時レンズ天体である星の回りに惑星があると、さらにこの惑星の重力によってレンズを受け、光度曲線は標準的なマイクロレンズの理論曲線から逸脱し、これを観測する事によって惑星を検出でき、主星と惑星の質量比、軌道半径等の値が求まる。H21年度は563個のマイクロレンズイベントを発見し、この逸脱をリアルタイムで検出しアラートを世界中の観測者に出して追観測を促し、4個の系外惑星を発見した。これらは現在解析中である。H20年までに検出された10個の系外惑星を統計的にまとめた結果、K, M型星の比較的外側(スノーラインの外側)では、海王星質量の惑星は木星質量の惑星より3倍以上多い事を突き止めた。また、K, M型星の約30%が惑星を持っている事も発見した。これらは、惑星形成理論に大きな影響を与える。既知のトランジット惑星を詳細に観測する事で二つ目の惑星探査しており現在解析中である。
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Research Products
(12 results)