2010 Fiscal Year Annual Research Report
X線観測による成長中の巨大質量ブラックホールの探索と質量降着過程の解明
Project/Area Number |
20740109
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
寺島 雄一 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (20392813)
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Keywords | 宇宙物理学 / X線天文学 / ブラックホール / 質量降着 / 銀河 |
Research Abstract |
本研究では、宇宙に存存する巨大質量ブラックホールが形成後どのように大質量に成長してきたかを探ることを目的としている。まず、成長中のブラックホールを見つけ出すために、XMM-Newton衛星による大規模なX線天体カタログを用いた候補天体の探索を行ってきた。今年度までに、探索が可能な程度の質のX線データが得られている天体については、ほぼ解析を完了した。その結果をもとに、ブラックホール質量の推定、可視光データとの比較を行い、国内学会および国際研究会において成果を発表した。また、この探索の過程で軟X線が異常に強い特異な性質を示す天体を発見した。この特徴は、急激な質量成長を起こしている兆候である可能性があり、詳細な解析と速報論文の準備が進行中である。次に、広帯域X線スペクトルの詳細解析も進め、6天体について軟X線スペクトルと鉄蛍光輝線の双方の形状を用いて、質量降着を担っている降着円盤の構造を定量的に評価し、査読論文として発表した。さらに、質量成長との関連が考えられる、大量の物質により隠された巨大ブラックホールのX線スペクトルとX線強度変動の解析を進め、その結果を査読論文に発表・投稿した。隠されたブラックホールのうち、ブラックホール質量の小さい1例においては、視線上の吸収物質の量が半年以下の比較的短い時間スケールで変動していることがわかり、吸収物質の性質などについての検討が継続中である。
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Research Products
(27 results)