2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740110
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新沼 浩太郎 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 助手 (30434260)
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Keywords | 電波天文学 / 突発天体 |
Research Abstract |
本研究の目的は早稲田大学那須パルサー観測所において高銀緯で続々と観測されている突発的に発生する電波新星(トランジェント電波源)をさらに高い精度の観測で検出し、その起源の特定を目指すことである。現在のところこのトランジェント電波源は那須観測所の観測範囲においてそのほとんどが高銀緯で観測されている現象であるということを除いて、その正体を掴むための情報が無いというのが現状である。 本年度は海外などを含めた他の観測機関の共同利用観測にトランジェント電波源検出時の追観測提案をする予定であったが、8月から9月にかけての大規模な落雷の影響で、那須観測所が大きなダメージを受けてしまった(受信系統の故障、通信回線の断線など)。2009年初頭まで観測所の復旧に時間を費やしてしまい、他の観測機関の共同利用に申し込むことができなかった。そのため、今年度は30m鏡の追尾精度の向上、及び観測装置が故障する前までに検出されたトランジェント電波源の解析に従事した。 この解析の結果、Kida et al., (2008)で示されたものよりも多<の検出数で評価したにもかかわらず同程度の精度でLogN-LogSの傾きが-1.5に近似できることが分かった(検出が期待される個数の誤差(1σ) : 対数スケールで0.203->0.225(Niinuma et al., 2009in submitteitted to ApJ))。これらは宇宙においてトランジェント電波源の分布が等方的であることを示唆する結果である。 3月半ばより定常観測に戻りつつあるので、来年度早々に共同利用観測制度を利用し、すでに検出されているトランジェント電波源の位置誤差内の高分解能観測、及び検出時の追観測提案を行い、トランジェント電波源の起源の解明を目指す。
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Research Products
(2 results)