2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハードウェアロジックによる専用計算機を用いた粒子飛跡再構築の開発研究
Project/Area Number |
20740131
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千代 勝実 Nagoya University, 教養教育院, 講師 (80324391)
|
Keywords | 計算機システム / シミュレーション工学 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
平成20年度は、高エネルギー物理学実験における高輝度加速器実験で大量に処理を行う必要がある荷電粒子の飛跡再構築について、低コストでの飛跡再構築の高速化として、現在一般に市販されている計算機(パソコン)のマルチメディア計算機能を飛跡再構築の際もっとも時間のかかる計算部分について最低限必要な部分だけ利用し、高速化を図った。そもそも荷電粒子の飛跡再構築は演算相互に依存性があるわけではなく、単純に逆行列の計算に類した演算を行うだけであるので、そのフィッティングの試行それぞれについて大量の四則演算や二乗平均演算が発生する割に、並列演算が比較的容易である。特にパイプライン化されている汎用の演算機能を使う場合、マルチメディア計算汎用であるため飛跡再構築について十分最適化されているわけではないが、これにより専用計算機化する際のプロトタイピングが可能となり、また低コストで暫定ではあるが高速化が図れる。現在、汎用のマルチメディア演算機能としてCPU内にSIMDと呼ばれるパイプラインが存在し、それにより並列計算を行うような飛跡再構築プログラムを開発した。これはほとんどすべてのCPUが装備しているものであり、汎用性が高い。また、3Dグラフィック用の専用ボードについても、同様な並列計算用パイプラインが装備されている。これを利用する飛跡再構築プログラムも作成した。以上の汎用並列演算用パイプラインで現在存在する本物の実験データを解析することが可能となった。この二つの並列計算汎用パイプラインでは、必ずしもその性能を最大限に生かしているわけではないが、これまでの単にCPUだけで演算している場合よりも処理速度が向上し、テスト機のプロトタイピングとしては満足のいく結果が生まれた。
|
Research Products
(3 results)