2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハードウェアロジックによる専用計算機を用いた粒子飛跡再構築の開発研究
Project/Area Number |
20740131
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千代 勝実 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (80324391)
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Keywords | 計算機システム / シミュレーション工学 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
平成21~22年度は、高エネルギー物理学実験における高輝度加速器実験で大量に処理を行う必要がある荷電粒子の飛跡再構築について、20年度に研究した計算機のCPUに含まれているマルチメディア計算機能(SIMD)に加え、プログラマブルロジックデバイスを使用した計算速度の高速化を検討した。そもそも荷電粒子の飛跡再構築は演算相互に依存性があるわけではなく、単純に逆行列の計算に類した演算を行うだけであるので、そのフィッティングの試行それぞれについて大量の四則演算や二乗平均演算が発生ずる割に、並列演算が比較的容易である。またこれらの計算は現在使われているいくつかのフィッティングの方法それぞれにおいてもほとんど違いがなく、最後の求められた軌跡の品質を表す評価関数を本体の計算機で計算させるだけで対応できる。この単純計算の部分はソフトウェアで実行する場合に比べて100倍から1000倍の速度が期待できる。このためすべての試行計算をプログラマブルロジックデバイスおよび高速なメモリ上で展開・実施することにより、現在のソフトウェアベースのものより高速化でき、リアルタイムのイベント再構築などにも利用できる。以上のような目的で、プログラマブルロジックデバイス上に試作的な計算ユニットを製作した。これは上記で述べた単一の計算を行うだけであり、最適化も超並列化も行っていないが、計算機上のフィッティングアルゴリズムからテスト用のデータを送り、実際に計算できることを確認した。 また、超並列化および計算性能の最適化の評価も行った。
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Research Products
(3 results)