2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームとレーザーアンジュレータ場の相互作用を用いたコヒーレント光源の開発
Project/Area Number |
20740137
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏木 茂 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (60329133)
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Keywords | コヒーレント / レーザーアンジュレータ / 電子-レーザー相互作用 / EUV |
Research Abstract |
本年度は、電子ビームとレーザーアンジュレータ場を相互作用させコヒーレント光を発生させる本開発課題の中で最も重要な部分である、電子ビームのマイクロバンチ生成について理論考察を行った。またこれと並行して、マイクロバンチ電子ビーム生成を試験する電子銃システムの構築も行った。コヒーレント光を発生させるためには、電子ビームが発生光の波長間隔またはその整数倍の間隔にマイクロバンチ化させられていることが必要であり、電子銃で発生させたビームに対しレーザー光でエネルギー変調を与え密度変調へと変換する。エネルギー変調を受けるのに必要な電子ビームの初期パラメータの条件を理論考察により明確にし、電子ビームの初期のエネルギー分散の必要条件から熱陰極ではなく光陰極の電子銃を用いる必要があることが分かった。また、マイクロバンチ電子ビーム生成に必要なレーザーパラメータ(ウエストサイズ、パルスエネルギー)などの条件も明らかにした。理論考察では、波長1ミクロンメートルのレーザーを用いる事を仮定し計算を行ったが、集光に関する条件が極めて厳しい事が判明した。この成果は、国際会議(The 2nd Asia Pacific Symposium on Radiation Chemistry)で発表した。電子ビームエネルギー変調については、金属ギャップを用いた方法を取り入れることも検討することとした。一方、理論考察の結果を基にマイクロバンチ生成試験を行うための100kV直流電圧印加型の電子銃システム構築を進めている。電子銃への印可電圧はより高い方が望ましいが、カソードーアノード間の放電などを考慮し本研究では100kVとした。現在、ビーム診断システム等を真空ビームラインに挿入する事を行っており21年度初頭からビーム実験を開始する。
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Research Products
(3 results)