2009 Fiscal Year Annual Research Report
汎用グラフィックカードを用いた格子QCD計算の加速法の研究
Project/Area Number |
20740139
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石川 健一 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60334041)
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Keywords | 格子QCD |
Research Abstract |
当初の計画通り,今年度は4台のPC+GPUを用いた格子QCDの並列計算について研究を行った。 前年度と同じWilson型クォークに対するクォーク伝播関数を計算するプログラムをMPIにより並列化し,4台のCPUによる並列化を行い,その後,各PCにあるGPUを使うように変更することで,GPU並列を行った。異なるPCにあるGPU間で「のりしろ」データを交換するには一度GPUからそのGPUを持っているCPUにデータをCUDA APIを用いて転送し,その後PC間でMPIを用いてデータ交換し,最後にCPUからGPUへ再びCUDA APIを用いてデータ転送することにより完了する。都合3回のデータ転送のためのAPI呼び出しが発生するため,計算時間よりデータ通信に要する時間が長い結果となり,単純な並列化と,現在のGiagabit Ethernetによる通信ではまったく並列効果が得られないことが分かった。そこで,通信の必要ない前処理としてブロックヤコビ法による前処理を行ったところ,32^3格子の場合,4台のPC(8GPU)で2倍速くなることが確認できた。 1台のPC内の2枚のGPUカードによる並列計算では最も時間のかかるMPI通信がないため良好な並列計算が出来た。とくに,多フレーバーQCDに対するHMC法の加速として独立な擬フェルミオン場をそれぞれGPUに割り当てることで完全な並列化が出来た。
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Research Products
(4 results)