2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740147
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鵜沢 報仁 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 数学研究所専任研究所員 (50378931)
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Keywords | 素粒子論 / 宇宙物理 / 相対論・重力(理論) / 超重力理論 |
Research Abstract |
超弦理論や超重力理論等の素粒子の統一理論は我々の宇宙が高次元であることを示唆している。そして近年、高次元超重力理論からどのようにして内部空間の安定化や4次元宇宙モデルを導くことが出来るのかということに大きな注目が集まっている。本研究では具体的な高次元超重力理論から現実的な4次元宇宙モデルを作ることを目的に、高次元超重力理論の時間依存解や4次元有効理論の性質を一般相対性理論の観点から明らかにした。具体的な超重力理論として11次元超重力理論に注目した。種々の超重力理論の中でも11次元超重力理論はM理論の低エネルギー有効理論であると考えられており、M-braneと呼ばれるEinstein方程式の静的解が以前より詳しく調べられていた。本研究では、これらの古典解をもとに11次元超重力理論のアインシュタイン方程式の時間依存解を追求した。そして複数のfield strengthを背景に含む交差M-braneの時間依存解及び4次元有効理論について解析を行い、解の分類と高次元時空の時間発展について調べた。その結果、高次元Einstein方程式の時間依存解の特徴として、brane近傍では4次元時空や内部空間の大きさが殆ど時間変化せず、braneから離れるにつれて計量に対する時間依存性の寄与が大きくなることが分かった。また、4次元有効理論では交差braneの共通のworld-volumeを我々の4次元時空とするコンパクト化のモデルからFriedmann-Robertson-Walker時空が得られること、交差braneに対してtransverse方向を4次元時空とするコンパクト化からは膨張宇宙でのブラックホール解を得られることが分かった。
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