2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740147
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
鵜沢 報仁 近畿大学, 理工学部, 研究員 (50378931)
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Keywords | 素粒子論 / 宇宙物理 / 相対論・重力(理論) / 超重力理論 |
Research Abstract |
(1)素粒子論や宇宙論で基本的な物体として存在するブレーンは様々な次元を持つため高次元時空上で互いに交差する。このようなモデルは交差ブレーン模型と呼ばれている。素粒子論では交差ブレーン模型の静的解のみ詳しく議論されていたので、ブレーン及び時空の時間進化については全く知られていなかった。また、ブレーンの存在は4次元時空の計量に湾曲因子と呼ばれる内部空間の座標依存性をもたらすため、この性質を利用した素粒子現象論への応用も数多く試みられてきた。このような状況のもと、本研究では超重力理論から現実的な宇宙模型を得ることを目的に、時間依存性を考慮したときに得られる交差ブレーン解を追求した。その結果、背景に重力、スカラー場やゲージ場が存在するとき、4次元時空が加速膨張をするアインシュタイン方程式の厳密解が得られることが分かった。更に、高次元超重力理論の模型で湾曲因子が時間に依存すると、4次元時空が加速膨張するアインシュタイン方程式の厳密解を得ることが可能であることを初めて指摘した。 (2)素粒子論のゲージ階層性の問題を解決する一つの試みとして、高次元時空上に4次元時空を持ったブレーンを埋め込むというブレーンワールド模型がある。ブレーンワールド模型は素粒子現象論のモデルとして当初議論されていたが、その後具体的な高次元超重力理論との関連性について幾つかの指摘があった。本研究ではブレーンワールドと密接な関係を持つ高次元超重力理論の模型として6次元西野-サラム-セツギン模型に注目した。6次元西野-サラム-セツギン模型は4次元宇宙定数問題を解消し、内部空間のスケールを固定することが可能な静的解を与えるものとして現在まで盛んに議論されてきた。私はこの静的解を時間依存解へ拡張することを試み、どのような宇宙モデルが得られるのか調べた。その結果、6次元西野-サラム-セツギン模型の静的解は、我々の4次元時空が硬い物質で満たされたときと同じ膨張宇宙を再現する時間依存解に拡張出来ることが分かった。
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