2009 Fiscal Year Annual Research Report
格子QCDと有効場の理論を用いた重いクォークの物理
Project/Area Number |
20740149
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Research Institution | Numazu College of Technology |
Principal Investigator |
駒 佳明 Numazu College of Technology, 教養科, 講師 (00334748)
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Keywords | 量子色力学 / ハドロン物理学 / クォーク / ポテンシャル |
Research Abstract |
重いクォークと反クォーク間の束縛状態であるクォーコニウムの諸性質を明らかにすることを目的として,量子色力学(QCD)の有効場の理論であるpNRQCD(potential nonrelativistic QCD)と格子QCD数値シミュレーションを用いて,非摂動論的に重いクォークと反クォーク間のポテンシャルを調べた。 本年度(2年目)は特に,pNRQCDにおけるクォーク間ポテンシャルに対する0(1/m)の相対論的補正項,0(1/m^2)のスピンに依存する相対論的補正項,0(1/m^2)の運動量に依存する相対論的補正項を,様々な格子間隔の格子上で測定することでスケーリングについて調べ,これがほぼ成立していることを確認した(格子QCDの国際会議Lattice2009で発表)。この成果は,我々が開発した新しいシミュレーションアルゴリズムに基づくものであり,現在のところ他のグループによるこれと同様の成果は報告されていない。連続極限における補正項の関数形については現在検討中である。 また,初年度に購入したコンピュータを活用し,ベクトル型スーパーコンピュータだけでなく,PCクラスタなどのスカラー型コンピュータでも効率よく計算できるようにするため,MPI並列計算用のコード開発を継続した。
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Research Products
(5 results)