2008 Fiscal Year Annual Research Report
重力波干渉計ネットワークによる背景重力波観測に対する理論的研究
Project/Area Number |
20740151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬戸 直樹 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (80462191)
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Keywords | 重力波 / 天文学 / 宇宙論 |
Research Abstract |
本年度は背景重力波の1) 円偏光モード、2) 非ガウス性の観測的検証可能性を主に研究してきた。特に後者ではバースト重力波が重なり合うことにより構成される背景波を具体的なターゲットとして解析を進めた。日本のスペース重力波干渉計将来計画DECIGOの最大目標は0.1Hz付近でインフレーション背景重力波を検出することである。しかし、大質量の初代星が超新星爆発時に発生するメモリー的な重力波がこのインフレーション重力波を狙うに当たって大きな障壁になる可能性が指摘されており、両者を観測的に区別するための解析方法を開拓することが不可欠となっている。私は予言されている超新星爆発発生率がそれほど大きくは無いので、爆発数の有限性に起因する非ガウス性が無視できないことに注目した。そして個々には信号が弱すぎて観測することが困難なバースト波であってもそれら全体が作り出す背景派の非ガウス性を効率よく処理することで、バースト波の性質(例えば、持続時間、振幅、レート)に統計的に迫ることが可能であることを示し、研究論文として発表した。その後干渉計ネットワークの配置がバーストの偏光情報に迫る上でどのような影響を与えるかという点に解析を進めた。これらの結果によって本研究計画の初年度の研究目標をおおむね達成できたといえる。
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Research Products
(2 results)