2009 Fiscal Year Annual Research Report
重力波干渉計ネットワークによる背景重力波観測に対する理論的研究
Project/Area Number |
20740151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬戸 直樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (80462191)
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Keywords | 重力波 / 天文学 / 宇宙論 |
Research Abstract |
本年度は1)背景重力波の非ガウス性の観測的検証可能性、2)巨大質量ブラックホールの放出する背景重力波を主に研究してきた。前者ではこれまでの研究を発展させ、4次相関によってとらえられる非ガウス性の定量化を通して、背景重力波の性質にどのように迫ることが可能かを議論した。そして個々には信号が弱すぎて観測することが困難なバースト波であっても背景波の非ガウス性を効率よく処理することで、バースト波の性質(持続時間、振幅、レート)に統計的に迫るこどが可能であることを示した。具体的な重力波源として、高赤方偏移の超新星爆発を考えて、0.1Hz近傍でガウシアン的なインフレーション背景波と識別可能であるかを議論した。またパルサータイミングの解析においては、ブラックホール連星の背景重力波が強いために、個々のソースを検出するのが困難であることも明らかにした。これは観測領域が低周波であるために、データに含まれる情報量が小さいことに起因している。取り出せる情報量以上に、背景重力波の構成要素の情報量が多いためである。しかし、波源が近傍にあった場合は検出可能である。期待される検出レートをブラックホールの合体率、典型的な質量の関数として定量的に評価した。
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Research Products
(3 results)