2008 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ビームライン用高精度大立体角光学システムの研究開発
Project/Area Number |
20740155
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
豊田 晃久 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 助教 (20373186)
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Keywords | 光学系 / 耐放射線 / プロファイルモニター / 大強度ビーム |
Research Abstract |
本年度においては、まず複数の反射鏡を用いた光学のレイアウトの比較検討を行った。最初は当初の計画通り軸はずしの光学を考案し、一番収差を抑えられるものとして、凹凸凹の3面鏡が候補として挙げられた。これをもとにして、光学計算ソフトZEMAXによって詳細な光学を計算した。この結果、近軸光線においては十分な倍率と優秀な収差を持つことが確認できたものの、ひとつ大きな問題があることが判明した。それは、想定しているプロファイル測定領域が100mmx100mmと大きく、周辺像に対して大きなコマ収差が出ることである。これは反射鏡の円錐定数を調整することである程度解決できるものの、予算が十分でないため、および軸調整が難しいため断念した。そこで原点に立ち戻り、OTRの放出角分布を考えるとむしろ近軸光線は重要でなく、周辺光線を重視した光学を組むべきだとの結論に達した。これにより、グレゴリー式のOn-axis光学をレンズで言うケプラー式ではなく直接入射に変えた光学が十分な倍率を持つことが分かった。これをもとにして再計算を行った結果、周辺光線に対する収差も十分に抑えられ当初の性能を達成できることが判明した。この後に2枚の反射鏡の最適化を行った。最も性能がよいのは、2枚の双曲面鏡を使う場合だったが、高価であることと調整が微妙にずれただけで大きな性能劣化が見られることがネックとなった。よって第一段階としては2枚とも球面として焦点を調整して収差を抑える方針をとることにした。計算では十分小さい収差であることが確認された。これに基づき光学システムを設計、製作した。もし十分な性能が出なかった場合は二枚目の副鏡を双曲面に変更すれば更に性能を向上できることを確認した。
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Research Products
(2 results)