2009 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ビームライン用高精度大立体角光学システムの研究開発
Project/Area Number |
20740155
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
豊田 晃久 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 助教 (20373186)
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Keywords | 粒子測定技術 / 大強度陽子ビーム / ビームプロファイル測定 |
Research Abstract |
本年度においては、前年度に設計製作した光学を暗室内で組み立てた。そして、格子状スクリーンを用いて画像データを取得し、データ解析を行った。また同時に光学試験としてハルトマンテストを行い、試験の妥当性をチェックした。これによりイメージ増幅器(IIT)までの分解能は十分であることが判明したが、IITからカメラまでの集光能力に問題があることが判明した。よって、もう一度光学計算ソフトZEMAXを利用して光学計算を行い、一枚目に凹レンズを入れる光学でより明るい光学が構築できることが判明した。これに基づいて光学素子を購入し、全体の光学に組み込み再度試験を行ったところ、十分な性能が出ていることを確認できた。そこでJ-PARCハドロンビームラインのOTRモニタの内の一台にこの新規光学を組み込んでビームテストを行った。この際、従来モニタの蛍光スクリーンモニタを直前に設置して性能の比較を行った。その結果、無事目的の分解能および効率を達成していることが確認できた。さらにビーム強度を変化させる試験などを行い、広い強度範囲において問題なく動作することを確認した。また更なる光学計算を重ね、主鏡、副鏡の離心率を変更することで今回開発した光学の分解能をさらに7倍向上できることを発見した。以上の成果により強い放射線場においても安定して動作する、大立体角で高精度な光学システムが完成した。これを利用することで、医療用、研究用問わず様々な光を利用する測定(例えばODR、放射光、シンチレーション光など)にも適用が可能であり、さらにビーム利用を離れて例えば宇宙や極限場での産業利用など幅広い活用ができるものと期待されるため、極めて重要な成果であるといえる。
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Research Products
(2 results)