2008 Fiscal Year Annual Research Report
10万気圧級核磁気共鳴によって切り開く異常金属相の微視的研究
Project/Area Number |
20740185
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
深澤 英人 Chiba University, 大学院・理学研究科, 助教 (90361443)
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Keywords | 強相関電子系 / 低温物性 / 磁性 / 物性実験 / 鉄系超伝導 |
Research Abstract |
本研究の目的である10万気圧級核磁気共鳴を行なうために、3次元プロッターを購入し、まず改良型ブリッジマンセルに必要な消耗部品を申請者の研究室でも作成可能な状況にした。また、既存の20tプレス機に微量吐出ポンプを増設し、連続的な荷重が可能になるようにした。これにより初期荷重に敏感である改良型ブリッジマンセルの圧力印加の成功率が飛躍的に高まった。20年度はMR/NQRまで行なう予定ではあったが、実際に手元で行なってみると失敗することも多く、成功率をより高めるために、最適条件を探っているところである。また、小型キュービックアンビル装置を用いたNQR測定に成功し、この成果について論文にて公表するとともに、LT25(国際低温会議2008)にてポスター発表を行なった。ポスター発表を見学していった研究者はほとんどが海外の研究者で、本研究への世界的な関心の高さを実感することができた。小型キュービックについては、現在安定して荷重を成功させるために、MgOガスケットの選定を行なっている。20年度は、新規鉄系超伝導体の研究が世界的に大流行し、申請者もこの超伝導体の研究を開始した。というのも、本物質が圧力に対して敏感であることと、必要な圧力域が本研究で目標としている10万気圧級のものであるからである。このことを示す論文を執筆するとともに、まずは常圧での物性を明らかにするために、関連の論文を執筆し公表した。21年度は圧力下での物性を改良型ブリッジマンセルや小型キュービックアンビル装置を用いて明らかにしていく予定である。
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Research Products
(5 results)