2009 Fiscal Year Annual Research Report
10万気圧級核磁気共鳴によって切り開く異常金属相の微視的研究
Project/Area Number |
20740185
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
深澤 英人 Chiba University, 大学院・理学研究科, 助教 (90361443)
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Keywords | 高圧物性 / 鉄系超伝導 / 強相関電子系 / 物性実験 / 低温物性 |
Research Abstract |
昨年度からの研究で得られた成果については、国際高圧会議(AIRAPT2009)および第9回超伝導国際会議(M2S-HTSC IX)において発表を行なった。特に、国際高圧会議においては、招待講演ではなかったものの、口頭発表に採択された。昨年度整備した装置を継続して用い、改良型ブリッジンマンアンビルセルで10GPa級圧力下でのNMR/NQRを試みたものの、幾度となくわずか1~2GPaで測定不能に陥った。この原因はガスケットとして用いたパイロフェライトの硬度によるものであることがわかり、その後は比較的安定して圧力を印加することができるようになった。しかし、ピストンシリンダーセルと比べると狭い試料空間では、十分な信号を得るまでには至っていないのが現状である。そこで並行してキュービックアンビル装置を産業技術総合研究所の竹下直博士から借用し、より静水圧性の高い状況での新規鉄系超伝導体の物性について電気測定を中心に研究を行なった。これらの結果を得たのと同一バッチの試料について改良ブリッジマンアンビルセルを用いて電気抵抗測定を行ない、圧力媒体が一軸圧力性の残る圧力を受けた場合、鉄系超伝導体の母物質は極めて敏感に超伝導を発現することを見出した。これらの結果については、本年度末の日本物理学会で発表を行なった。また、ホールを過剰にドープした鉄系超伝導体KFe_2As_2においてノードをもった極端なサイズ差をもつマルチギャップ超伝導を指摘し、論文誌にて公表した。
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Research Products
(16 results)