2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740187
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柳瀬 陽一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70332575)
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Keywords | 反転対称性がない超伝導 / FFLO超伝導 / スピン軌道相互作用 / 冷却原子気体 |
Research Abstract |
今年度は、以下の2つの研究成果を得た。 1.界面近傍に局在した電子状態には反対称スピン軌道相互作用が現れることが知られており、近年スピントロニクスやトポロジカル絶縁体の観点からも大きな注目を集めている。本研究では、まず反対称スピン軌道相互作用のミクロな起源について考察を行った。その結果、反対相スピン軌道相互作用の代表例であるラシュバ型スピン軌道相互作用に関して少なからず誤解があることが分かった。本研究では、多軌道モデルに基づいた正しい導出を行い、パリティの異なる軌道間の混成が主要な役割を果たすことを示した。反対称スピン軌道相互作用を仮定した研究は膨大な規模になっているが、そのミクロな起源についてはあまり知られていなかったため、我々の研究成果は驚きを持って迎えられた。 2.冷却原子気体において実現されると期待される新奇FFLO超流動状態を提案した。我々の提案は、リング状のトラップを用いた擬一次元的な原子ガスを考えている。インバランスなフェルミ原子ガスをトロイダルトラップを用いてリング状にトラップすると、Angular-FFLO超流動状態が安定になる。この状態では回転対称性が自発的に破れているので、そこに外的な回転を加えると様々な興味深い量子相が発現する。我々は(1)反整数量子渦状態、(2)巨大量子渦状態、(3)FF+LO中間状態の3つを発見した。
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Research Products
(12 results)