2008 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場下におけるフラストレーションスピン系の線形及び非線形磁気光学分光
Project/Area Number |
20740190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 映二 The University of Tokyo, 特性研究所, 助教 (10376650)
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Keywords | 磁性 / 超強磁場 / 非線形光学 |
Research Abstract |
東京大学物性研究所の有する一巻きコイル装置を用いて、フラストレーション磁性体CdCr204およびZnCr204における超強磁場下における吸収スペクトル測定を行った。この磁場発生装置では、200テスラ以下での磁場範囲での測定が可能である。光源には、キセノンショートアークフラッシュランプを用い、光のサンプルへの導入、集光はファイバ光学系をもちいた。光スペクトルの測定には、分光器とストリークカメラを用いた。これらの測定系は、既に所有しているのでこれを用いた。この1巻きコイル法を用いて110テスラでの1次転移とそれに続く新たに発見された磁場誘起相の研究が行えるので、直径10ミリのコイルを用いて、発生磁場190テスラ程度の条件で実験した。主として、ネール温度(CdCr204では、7.8K, ZnCr204では、12.5K)以下の温度で実験した。その結果、磁場を印加するに従って吸収ピークの分裂が小さくなることが分かり、これは、試料が立方晶的になっていることを示唆する。 また、ZnCr204において電磁濃縮法を用いてファラデー回転測定を430Tまで行った結果、200テスラよりも強磁場側でこれまで理論予想されていなかった新たな相転移の観測に成功した。 国際学会、国内学会等で本研究に関して発表および関連研究の情報収集を行った。
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