2009 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場下におけるフラストレーションスピン系の線形及び非線形磁気光学分光
Project/Area Number |
20740190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 映二 The University of Tokyo, 物性研究所, 助教 (10376650)
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Keywords | 磁性 / 超強磁場 / 非線形光学 |
Research Abstract |
超強磁場下におけるCdCr204およびZnCr204における磁気第2高調波発生、検出の実験を行った。まずは、無磁場下おいて磁気第2高調波の発生、検出法の立ち上げを行った。ピーク値の高く非線形分光に適した超短パルスレーザー(コヒーレント社製)をすでに申請者の所属する研究室で有しており、これを光源として用いた。前年度購入した検出器および光学系と組み合わせて、まずは無磁場下における磁気第2高調波発生、検出の実験をおこなった。まずは、常温で行うが、手製クライオスタットと組み合わせて低温でも実験をおこなった。透過配置が実験的には容易であるのでまずはこの配置で行った。 次に磁場下、低温における磁気第2高調波発生の実験をおこなった。まずは、数十ミリ秒程度のパルス幅かつ最大発生磁場50テスラのロングパルスマグネットを物性研究所で現有しているのでこれを用いてCdCr_2O_4において実験をおこなった。励起光はパルス幅100フェムト秒、波長800nm近傍に調整した。配置上、直接、光線を試料に導入することが難しいので、光ファイバを用いて光を導入し、発生した第2高調波の集光も光ファイバで行い、光電子増倍管で検出した。信号の記録は現有のトランジェントレコーダとコンピュータを用いた。このとき、回折格子対を用いて励起パルス光に負のチャープを持たせた状態で、シングルモードファイバに光を導入した。こうすることで、励起パルス光の時間幅がファイバ通過中に広がってしまう効果を補償することができた。そのために必要なシングルモードファイバを組みこんだ試料ホルダを作製した。また、シングルモードファイバへの光の導入には高精度かつ安定性の高いファイバカプラが必要であるのでこれも購入した。偏光子は、試料ホルダに内蔵できるように設計しておく。
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