2010 Fiscal Year Annual Research Report
非一様ポテンシャル中のフェルミ粒子系における強相関効果
Project/Area Number |
20740194
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 昌久 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90335373)
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Keywords | 冷却原子系 / 超流動 / 量子モンテカルロ法 |
Research Abstract |
非一様ポテンシャルを持つ強相関粒子系として、冷却原子が閉じ込められた光格子系を例にとり、強相関粒子系の低温物性について系統的に議論した。 ◆フェルミ原子系における超流動状態の観測の以後、フェルミオン数の異なる粒子数インバランスの系においても超流動状態が観測され、現在フェルミ粒子冷却原子系における超流動状態が精力的に研究されている。本研究では、フェルミ粒子光格子系を取り上げ、超流動状態が粒子数インバランスによってどのように変化するのか動的平均場近似を用いて詳細に調べ、相図を決定した。また、変分モンテカルロ法を用いて二次元光格子系についても取り扱い、超固体状態の可能性についても議論した。その結果、弱いサイト間相互作用が超固体状態を安定化させることが分かった。 ◆光格子冷却フェルミ粒子系の物性は、ハバード模型により記述されることが良く知られているが、最近では多成分のハバード模型や局在スピンを持つ近藤格子模型で記述される冷却フェルミ粒子系の実現が期待されており、理想的な格子模型における低温物性が注目されている。本研究では、興味深い低温物性が期待される格子模型として、引力相互作用を持つ周期アンダーソン模型を取り上げ、動的平均場近似を用いて、超流動状態の安定性について調べた。ここでは、南部形式に基づく連続時間量子モンテカルロ法を用いて有効不純物模型を数値的に解き、超流動状態がどのように近藤状態と競合しているかについて定量的に議論した。また、調和振動子型閉じ込めポテンシャルの効果についても議論した。
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