2011 Fiscal Year Annual Research Report
非一様ポテンシャル中のフェルミ粒子系における強相関効果
Project/Area Number |
20740194
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 昌久 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90335373)
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Keywords | 冷却原子系 / 超流動 / 平均場近似 |
Research Abstract |
非一様ポテンシャルを持つ強相関粒子系として、冷却フェルミ原子が閉じ込められた光格子系を例にとり、強相関粒子系の低温物性について系統的に議論した。 ◆二次元冷却原子光格子系における超流動状態について議論する。インバランスした光格子系におけるFulde-Ferrell-Larkin-Ovchinnikov(FFLO)状態の可能性について調べられているが、層間のホッピングがどのようにFFLO状態に影響を及ぼすのか調べられていない。本研究では、Bogoliubov de Genne平均場近似を用いた系統的な解析を行い、層間のホッピングに対するFFLO状態の安定性について、詳細に議論した。その結果、動径方向FFLO状態は、層間ホッピングにより安定化されるのに対し、角度方向FFLO状態は不安定になることを明らかにした。 ◆光格子系においては、レーザーを用いて結晶構造ならびに相互作用の大きさなどを自由自在に変化させることができ、興味深い構造をもつ強相関粒子系の実現が期待される。ここでは、重い電子系でこれまで議論されてきた周期アンダーソン模型を取り上げ、その磁気的性質や超伝導の可能性について上記の動的平均場近似と量子モンテカルロ法を用いて調べた。また、空間変調した相互作用を持つハバード模型についても調べ、基底状態におけるモット転移について詳細に調べた。その結果、引力相互作用、斥力相互作用が交替している系においてもモット転移起こることを明らかにした。
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