2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ機能イメージングによる強相関電子系のフェルミオロジー
Project/Area Number |
20740205
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
伊藤 孝寛 Institute for Molecular Science, 極端紫外光研究施設, 助教 (50370127)
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Keywords | 強相関電子系 / 光物性 / イメージング / フェルミオロジー |
Research Abstract |
本研究は、シンクロトロン光角度分解光電子分光を用いて準粒子バンド構造のイメージング測定を行うことにより、強相関電子系における機能(伝導・磁性)と相互作用の関わりを(サブ)マイクロメートルスケールの空間的ドメイン構造内で明らかにすることを目的とする。 角度分解光電子分光測定をマイクロメートルの精度で行うという本研究の目的を実現するために, 平成20年度は、既存の高分解能角度分解光電子分光装置の改良およびUVSOR施設のビームラインBL7Uにおけるシンクロトロン光の最適化調整を行った。現状について詳細を以下に示す。 1. マイクロ機能イメージング測定系の開発 試料上の空間的ドメイン構造を数μm精度で観測するために、試料マニュピレータのx, y, θ軸にパルスモータ制御系を導入した。また、シンクロトロン光の両積辺りのフラックスの高効率化を目指してビームラインの最適化調整をおこない、10^<12>光子/秒で試料上フォーカスおよそ100μmx50μmを達成した。以上の測定系開発により、マルチチャンネルの光電子検出器を用いた場合、数μm精度でのイメージング測定が可能となった。 2. 不均一系強相関電子系における光電子分光測定 開発した装置のテストを行うために、強相関電子系試料C_<60>ポリマーの光電子分光測定を行った。その結果、C_<60>に電子線を照射して得られるC_<60>ポリマーは、空間的に不均一であるものの、その伝導電子は1次元系特有の朝永-ラッティンジャー液体的な準粒子状態を形成していることが明らかになった。
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Research Products
(13 results)