2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740207
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
端 健二郎 National Institute for Materials Science, ナノ計測センター, 主任研究員 (00321795)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 強磁場 / 機器開発 |
Research Abstract |
独立行政法人物質・材料研究機構が所有するハイブリッド磁石を用いて25Tを超える定常強磁場での核磁気共鳴(NMR)測定を実現し、磁場誘起相転移や量子臨界現象の観測から触媒やゴムなどの機能性材料の構造解析まで、従来の磁場では解明が困難であった事象について、微視的な観点から新たな情報を提供するための装置開発を行っている。これまでの研究からハイブリッド磁石による磁場は水冷銅磁石用電源のリップルなどによって時間的に揺らいでおり、NMR測定を行なうた釧こは磁場の時間的揺らぎを低減する必要があることが分かっている。これまでに電源の改良を行い揺らぎの低減化を図ってきたが、高分解能NMR測定を行なうにはまだ十分な磁場の安定度に達していない。そこで、磁場揺らぎ補償機の開発を行い試料近傍の磁場のさらなる安定化を目指している。本年度は主に機器そのものの開発を中心に行い、標準試料を用いた実証実験を行なうための準備を行なった。具体的にはNMRプローブに磁場の揺らぎを検出するセンサコイルと補償磁場を発生するための補償コイルを取りつけ、また信号処理のための積分器、増幅器の開発を行なった。これらの機器を組み合わせ、信号処理回路の低雑音化や発振防止のために模擬信号を伺いた予備実験を行ない、機器を構成する素子の定数の最適化を行なった。これらの予備実験から磁場の揺らぎは1/10程度まで低減でき、より高分解能のNMR測定が出来ることが期待される。
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