2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Study on modelling methods for systems of atomic structures based on ab-initio simulation methods
Project/Area Number |
20740215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Tottori University (2009-2011) The University of Tokyo (2008) |
Principal Investigator |
YOSHIMOTO Yoshihide The University of Tokyo, 工学研究科, 准教授 (80332584)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 計算物理 / モデル化 / 物性理論 |
Research Abstract |
非経験的な電子状態計算による原子・分子シミュレーションには高精度に物性を予測する能力があるが、より原子数の大きな系での有意義な応用にはこの手法の計算コストの大きさに起因する4つの限界(空間、状態数、時間、電子相関)を同時に乗り越える必要がある。これは計算機能力の向上のみでは達成できない。本研究の目的は、これらの困難のうち、主として状態数、時間の2つの限界を、multicanonical ensemble法に基づく新しい系のモデル化手法を、multicanonical法自体の拡張と連携させることによって非経験性による系の描写の正確さと精度を維持しつつ打開することである。具体的な目的は以下の三つである。 (1)凝縮系の結合様式は金属結合、イオン結合、分子結合、共有結合に大別できる。 代表者の既存の業績では共有結合(シリコン)のみが扱われているが残り3つによる物質もそれぞれの多様な物性を持っている。したがって共有結合による物質以外について申請者が提案する手法を利用可能にする。 (2)multicanonical ensemble法は効率の良い状態空間探索法として知られているが、万能ではなく、実際、代表者の研究では、これを状態密度を多変数へ拡張することではじめてシリコンの液体結晶間の転移温度をヒステリシスを避けて精密に計算することができている。この拡張はシミュレーションの効率を左右する重要な要素であるので、目的(1)にあげた系についてそれぞれ適切な拡張を検討する。 (3)(2)の適切な拡張は再現したい系の変化にも依存する。この拡張には相変化(状態数の問題)のみならず、化学変化(時間の問題)をも含めることができる。時間の問題は大変重要であるから後者についても研究する。 これらに加えて関連する第一原理計算プログラムなどの研究開発も行う。
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Research Products
(6 results)