2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740224
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
寺本 敬 千歳科学技術大学, 総合光科学部, 准教授 (40382543)
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Keywords | 応用数学 / 非線形科学 / 生物物理 |
Research Abstract |
胚発生時の空間周期的位置情報を生み出す非チューリング的な体節形成現象のメカニズムとして,モルフォゲンの空間不均一分布から生じる自発的パルス生成に着目し,反応拡散系モデルで発見したパルスジェネレータパターンの数値的分岐解析を行い,力学系理論に基づいてその数理構造を理解した.具体的には,時空間周期パターンの分岐解析ソフトウェアを開発し,大きな周期を持つ領域までの大規模な解構造探索を行い,不均一場が誘導する2種類の周期解が同一の定常解枝からのホモクリニック分岐により生じることを示した.これらのホモクリニック軌道が共存する余次元2以上の大域分岐によって,パルスジェネレータの多様なパターンが発生するメカニズムを明らかにした.現在は北海道大学の共同研究者と論文を執筆中であり,2012年度中に投稿予定である.また富山大学で行われた日本物理学会2011年秋季大会に参加し,「媒質の非一様性が誘起する自発的パルス生成」について口頭発表を行った.また当該セッションの座長として,講演プログラムを進行し,他講演者らと貴重な交流を行うことができた.口頭発表では,我々が発見した自発的パルス生成現象の数理的機構についての解析結果について報告し,胚発生時の体節形成現象を説明する新しいメカニズムとしての関連性について指摘した.力学系理論に基づく解析手法や現象の数理モデル化について,それぞれ意見交換を行うことができた.
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Research Products
(9 results)