2008 Fiscal Year Annual Research Report
衝突数値シミュレーションによる太陽系小天体の構造進化モデルの構築
Project/Area Number |
20740247
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 浩二 Hokkaido University, 低温科学研究所, 博士研究員 (10396856)
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Keywords | 惑星起源・進化 / 衝突 / 天文 |
Research Abstract |
本研究課題においては、衝突成長過程を通じた微惑星や小天体(小惑星や彗星)の構造進化モデルを確立することを目指す。とくに、サイズ・密度の異なるアグリゲイト同士の衝突シミュレーションを行うことによって、微惑星や小天体における局所的圧縮過程およびクレーター形成過程を明らかにすることを目的とする。本年度ではまず様々なサイズ・密度のアグリゲイトを生成し、予備的な衝突シミュレーションを行うことを計画した。得られた成果は以下の通りである。まず、アグリゲイトを繰り返し付着させて大きくしたいわゆるBallistic Cluster-Cluster Aggregation (BCCA)構造と、一粒子を逐次付着させていくことで大きくしたいわゆるBallistic Particle-Cluster Aggregation (BPCA)構造をもつアグリゲイトを作成した。BCCA構造は原始惑星系円盤内で形成される低密度ダストを模擬したものであり、BPCA構造はコンパクトなダストを模擬したものである。これらを衝突速度や衝突パラメータを変えながら互いに衝突させるシミュレーションを行うことで、様々なサイズ・密度をもつアグリゲイトを作成することに成功した。この衝突シミュレーションは同じサイズ・密度同士のアグリゲイト衝突を行ったものであったが、シミュレーション結果を検討した結果、(1) ダストアグリゲイトは衝突によっては圧縮されにくくそのフラクタル次元は2.5程度に留まること、(2) 衝突速度が大きくなるにつれては破壊が生じるが、成長限界速度は氷アグリゲイトの場合50m/s程度と大きく、原始惑星系円盤内で十分合体成長が可能であること、が示された。これは低密度な微惑星や小天体の形成を示唆するものである。次年度では、サイズ・密度の異なるアグリゲイト同士の本格的な衝突シミュレーションを行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Comet 9P/Tempel 1 : Interpretation with the Deep Impact Results2008
Author(s)
Yamamoto, S., Kimura, H., Zubko, E., Kobayashi, H., Wada, K. Ishiguro, M., Matsui, T.
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Journal Title
Astrophysical Journal 673
Pages: L199-L202
Peer Reviewed
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[Presentation] Growth and disruption of dust aggregates by collisions2008
Author(s)
Wada, K., Tanaka, H., Suyama, T., Kimura, H., Yamamoto, T.
Organizer
Cosmic Dust-Near & Far
Place of Presentation
Heidelberg, Germany
Year and Date
2008-09-11