2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740254
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 武男 Nagoya University, 環境学研究科, 助教 (40377982)
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Keywords | GPS / 潮汐解析 / 地震 |
Research Abstract |
本年度ではGPSのキネマティック解析を用いた時系列での地球潮汐を抽出する手法を開発し、KPPP GPSによって得られた地殻変動時系列について地球潮汐応答の時間変化について詳細に検討した。本年度では、上記の固体地球潮汐応答の時間変化を抽出するアルゴリズムを開発し、その検証を実施した、またそのアルゴリズムを用いた事例解析も実施した。アルゴリズムの検証の結果、GPSではM2分潮と上下動が最も精度良く検出できる事をあきらかにした。その理由として、その他の分潮ではGPSの周回周期やGPS衛星の軌道情報の生成周期などと重なるため、エラーが大きくなる。また、一般に上下動の観測エラーは水平動に比べて大きいが、潮汐応答は上下動が最も大きいため、相対的にS/Nは上下動が良くなる事が分かった。次に、事例解析として2004年新潟県中越地震と2008年岩手宮城内陸地震の近傍の約30点で上記の開発した手法にて検証した結果、有意な変化をとらえる事ができた。しかしながら、解析手法の安定性の問題が今後の研究課題であることも明らかになった。特に、海洋潮汐荷重の評価と地下構造の不均質性の問題を切り離した、新たな解析手法の開発が必要であることが分かった。その一方で、海洋潮汐荷重による空間的な応答係数変化を利用して地下構造の不均質性を推定することができる可能性も明らかになって来た。今後はよりロバストな解析ができる様に手法の改良が必要であり、地下構造の不均質も考慮に入れた補正を行うことで、より詳細に変化をとらえる事ができると思われる。
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Research Products
(1 results)