2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740254
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 武男 Nagoya University, 環境学研究科, 助教 (40377982)
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Keywords | GPS / 海洋潮汐応答 / 地下構造 / 固体地球潮汐 / 逆解析 |
Research Abstract |
本年度では,解析手法の確立および,解析プログラムの開発等を行った.また,前年度の解析結果をJournal of Geodynamicsに投稿し掲載された.前年度の研究の結果,固体地球潮汐と海洋潮汐応答を分離する必要性があることが分かったため,それぞれの地下構造に対する解像度を先行研究によって調べた結果,構造に起因する固体地球潮汐はGPSの観測限界以下であることがLatychev et al. 2009によって指摘されていた.そのため,本研究では,固体地球潮汐については理論的に予測可能として,海洋潮汐荷重応答を用いて解析手法を確立する事にした.固体地球潮汐応答については3次元的な固体地球潮汐モデルは存在するが,しかしながら,まだ,限られた分潮であるため,実際の解析にはまだ使えない状態であった.よって,本研究では500分潮程度の固体地球潮汐の理論値を求める計算プログラムを新たに作成し,海洋潮汐応答から地下構造を推定する一連の解析プログラムを作成した.この解析により,観測点分布にも依存するが,下部マントル付近の構造も推定する事が可能であることがわかった.最も解像度が良いのは,上部マントル付近であり,本研究課題の地震発生領域である20kmより浅い部分には余り解像度が無いことも分かって来た.一方,地震波を使わないので,連続的に地下構造をモニターすることができ,常時モニタリングすることで,構造の変化を取り出せる可能性があると予想される.
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Research Products
(2 results)